交通事故による後遺症と3つの請求方法

交通事故の被害者は、むち打ちや機能障害などの後遺症が残ってしまう事もあります。後遺症に対する保険金を請求する方法は、3種類あります。速やかに慰謝料を払って欲しい時は被害者請求の手続きがおすすめですが、それが面倒な時は任意保険の会社に任せる方法もあります。

また弁護士特約に加入していたり重傷だったりした時は、弁護士に依頼するケースが多いです。

交通事故の主な後遺症

交通事故による後遺症は色々あります。一番多いのはむち打ちで、腕や首などが痛くなったり、だるくなったりしてしまう症状です。痺れやコリなどの症状を伴う事もあれば、エスカレートすれば内臓疾患になる可能性もあります。

また交通事故で機能障害になるケースも多いですが、それにも3つの種類があります。股関節や足関節などの下肢機能障害と肩や肘や手に対する上肢機能障害、脳に対する高次脳機能障害です。その他にも、目立つ場所が醜状になってしまう外貌醜状などがあります。

等級により保険金の金額は異なる

交通事故の被害者に上記の後遺症が残った時は、加害者に対して賠償を請求する場合があります。そのためには、上記の症状を後遺障害と認定してもらう必要があります。認定されれば所定の慰謝料が支払われる訳ですが、その金額は後遺症次第です。

そもそも、交通事故による後遺症と言っても色々あります。事故によって視力が大きく低下してしまう事もあれば、失明するケースもあり、視力が0.3程度にまで落ちてしまう事例もあります。また体の一部分に神経症状が残る事もあれば、手足を失ってしまう事もあるのです。

手足が失われたり失明したりするのはかなり重たい症状ですが、それは第1級や第2級あたりに分類されます。後遺症には「等級」があって、数字で表現されるのです。一番重い症状は1級で、14級まであります。後遺症で受け取れる保険金は、その等級に左右されます。

例えば自賠責保険の場合は、第1級の保険金は1,100万円ですが、14級は32万円といった具合です。

3種類の請求方法と保険金

ところで保険金を請求する方法は、全部で3種類あります。任意保険の会社を通じて手続きを進める方法と、自分で自賠責の保険会社に請求する方法、そして弁護士に依頼する方法です。その3つの方法は、それぞれ保険金の違いがあります。

自賠責保険なら第1級は1,100万円になりますが、任意保険なら1,600万円となります。しかし弁護士に依頼すると、2,800万円です。

弁護士に対する依頼費用に注意

すなわち弁護士に依頼するのが一番高くなる訳ですが、それには注意点もあります。弁護士に対する依頼費用です。弁護士に依頼すれば、もちろんお金を支払う事になります。たいてい増額分の数十%程度は支払う事になります。

例えば第1級は自賠責保険なら1,100万円になり、弁護士は2,800円なので、差額は1,700万円です。

その1,700万が「増額分」という事になりますが、それに所定の数字を乗じた金額を弁護士に支払う訳です。例えば報酬が10%と設定されているなら、170万を払う事になります。

その%の数字は弁護士によって異なり、20%や30%など色々あります。

また法律事務所によって着手金も異なり、10万円になる事務所もあれば、着手金無料のところもあります。ですから弁護士に支払う費用次第では、かえって保険金が低くなってしまう可能性もあります。

どういう状況なら弁護士に依頼すると良いか

しかし弁護士特約に加入していれば、話は別です。保険会社の特約の1つで、それに加入済みの状態なら保険会社から弁護士費用が支払われる訳です。また後遺症次第では、弁護士に依頼する方が良い事もあります。交通事故によって重傷になった時は、弁護士の方が保険金は高くなる事が多いです。

しかし物損事故や軽傷の場合は、手取り額が少なくなる傾向があります。

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自賠責と早さのメリット

ところで自動車を運転するなら、自賠責保険に加入する必要があります。加入は義務付けられていますから、加害者もその保険に入っている訳です。その自賠責の保険会社に請求をして、後遺症の保険金を支払ってもらう方法もあります。

この方法は、支払いの早さにメリットがあります。後述する任意保険という方法の場合は、必ずしも手続きが速やかに進められるとは限らないので支払いに時間がかかる可能性もあります。それよりは、自賠責の方が早いのです。

被害者請求の流れとそのデメリット

自賠責の保険会社に請求するのは、いわゆる被害者請求という手続きになります。その流れですが、まずは安全運転センターから交通事故の証明書を発行してもらいます。その書類には、相手方の自賠責保険の社名も書かれているので、そこに「加害者請求をしたい」と連絡します。

すると手続きに必要な書類が郵送されますから、それを返送すると自賠責調査事務所による調査が行われます。自賠責の支払い対象になるかどうかを確認すると共に、等級についての確認も行うのです。確認した結果、後遺症と認定されれば保険会社は保険金を支払ってくれます。

その手続きは、被害者本人が行わなければなりません。また必要な書類の数も多いです。治療の為に病院に通っていれば、レントゲンの画像などを用意してもらう事になりますし、やや面倒だと感じている方々も多いです。また後述の任意保険の会社との関係が、若干悪くなってしまう可能性があります。

代行してくれるメリットがある任意保険

また加害者の任意保険の保険会社に任せる方法もあり、それには代行のメリットがあります。確かに自賠責保険という手段なら早いのですが、手続きは少々面倒です。それに対して任意保険の場合は、保険会社が手続きを代行してくれます。

あまり手間をかけたくない時は、任意保険が検討されるでしょう。

任意保険の2つのデメリット

ただし任意保険には2つデメリットがあって、1つ目は示談書です。任意保険で手続きを進めたい時は、加害者と被害者は示談を済ませておく必要があります。その上で、示談書にサインしておく必要があるのです。しかし示談になるまでは、若干時間がかかる事も多いです。

そして2つ目は、保険会社がスムーズに手続きを進めてくれるか否かです。というのも後遺障害が認定されますと、保険会社としては多くの示談金を支払う事になります。保険会社にとっての利益の問題がありますから、後遺症の認定に必要な書類はなかなか出されない事があります。

ですから保険金が支払われるまでは、少々時間がかかります。